
講談社の漫画雑誌「月刊アフタヌーン」に2013年3月〜8月号に連載されていた朱戸アオの「ネメシスの杖」のコミックス(単行本)が本日9/20発売となる。本誌でのロゴデザインと見開きのページのデザインに引き続き、カバーデザイン(装丁デザイン)の他オビ、本体表紙(カバーをめくった下の一色刷りのもの)、目次とそれに本文中の「第1話 終」などのタイポグラフィのデザインを僕が担当させていただいた。
表4(裏表紙)はこんな感じ。

ストーリーは南米由来の寄生虫を題材にした医療ミステリ、医療事故調査委員の物語である。作中にも登場する温室をモチーフに朱戸の描く植物とキャラクターを生かすこと、社会派の内容に見合う重さをもたせること、そしてもちろん売り場で目を引く強度を与えること、を念頭においてカバーデザインの作業を進めた。担当編集者の方の的確なディレクションのもと、案にして9つ、カラーバリエーションも含めると32案の中から選ばれた渾身の作である。
印刷会社の方とも打ち合わせをし、色校正(試し刷り的なもの)の後修正を経て非常にメリハリの利いた発色のグリーンにしていただけた。感謝。

オビの下、カバー(表3の部分)に名前も入れさせていただけた。
その他、実は作中の背景の作画もいくつか手伝ったりもしている。主人公らの乗るプリウスやタクシーのシーンなどは僕のつたない丸ペンによる作画だ。
さて、「ネメシスの杖」のストーリーの根幹となる南米由来の寄生虫によって引き起こされる病気、「シャーガス病」は中南米を中心に800万人が感染し、毎年1万2000人が命を落としているといわれる実在の病気である。先日「輸血の検査で国内で初めてシャーガス病患者が確認された」などといったニュースで記憶に新しい方もおられると思う。
作者の朱戸がこの漫画をきっかけにシャーガス病の専門家の方と知り合うことになり、その方が副代表を努めるNPO法人MAIKENが出展する「フェスタ ド ブラジル」(池袋サンシャインシティで9/21〜23開催)のブースにて朱戸が描き下ろしたシャーガス病の紹介漫画が展示される。
「フェスタ ド ブラジル」にてシャーガス病についての漫画の展示をします!(ブログ 朱戸アオの詰め合わせ)
会場にて「ネメシスの杖」も販売される予定。また、21日(土)はブースに朱戸がいるのでサインも承るとのこと。
最後に作者の朱戸がこの作品に寄せる思いというのだろうか、覚え書きがブログに綴られているので紹介したい。
ネメシスの杖についての覚え書き、あるいは自分では自分がよくわからない話。(ブログ 朱戸アオの詰め合わせ)
普段はブログに漫画やイラスト以外、文章はほとんど書かない朱戸だが、このエントリーを読んでいただけるとさらに「ネメシスの杖」が楽しめるのではないだろうか。
今日は「フェスタ ド ブラジル」の朱戸の展示の準備で東奔西走し、このブログの執筆が深夜になってしまったが、朝になって書店が開店したら僕もとりあえず行ってみようと思う。
Amazonへはこちらから

ネメシスの杖 (アフタヌーンKC)
第1話の試し読みはこちら
モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト モアイ ネメシスの杖/朱戸アオ