カインズホームでワゴンから線量計を買う世の中になるとは、感慨深いものがある。エステーの家庭用放射線測定器を購入してみた。
購入理由は
1、日本製のものを買ってみたかった。
2、GM管方式以外の測定器を買って比べてみたい。
3、なにより¥6980というホームセンター価格
という単純なものである。
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エステー家庭用放射線測定器 エアカウンターS
開封してみよう。
本体、電池、取扱説明書とそれから冊子が1冊入っている。
冊子は都立大の先生監修の「放射線の基礎知識」。
非常にマイルドにかつしっかりとした説明が載っている。企業として公にどこまでどのようなニュアンスで書くべきか、または書けるのか。その線引きとして大変参考になるもので、これだけでも価値があるように思う。
単三電池一本駆動というのもいい。
大きさをiPhoneと比べてみる。
妊娠検査キットのような医療系デザインなのはいたしかたないが、(本来危険な物を測定するものなので、安心感や清潔感等を目的とした医療系デザインがこの場合に適当か疑問であるが)この大きさとそれから「いかにも線量を測定している」感が出ないところは評価に値するのではないか。
また、この線量計はシリコン半導体方式で測定範囲は0.05μSv/h~9.99μSv/hとあり、検出限界以下の0.05μSv/h未満になるとあやふやな数値を表示するのではなく点滅するというのもしっかりしている。
ただし一点だけ、厳しく言わなければならない。それは電源スイッチだ。スライド式で固さもあるためどうしても爪を立てなければならず、この時にジップロックを痛めてしまうのだ。
放射線測定器は屋外で使う事も多く、放射性物質が本体に付着してしまえばどうしても測定結果に影響が出てしまう。防水モデルは少なくジップロックに入れて汚れを防ぐのは周知のことだろう。
このことから両親の福島への一時帰宅の際に持って行く線量計としてはこのモデルは不採用となった。
いかにスタイリングを練ったとしてもユーザーの使い方の想定の甘さ、ましてや今回の場合は放射線測定方法という根幹に致命的に影響してしまうデザインでは厳しい点をつけるほか無い。値段・スペックのバランスをとった企画力があっただけに残念だ。
その点ロシアやウクライナ製のものはジップロックの上からでも充分操作ができるプッシュボタンだ。悲しいかなこればかりはチェルノブイリからのノウハウの蓄積が見られる。
というわけで福島用にはエアカウンターSではなく最初にエステーが出したエアカウンターのほうも購入する事にした。そちらのレビューも後ほど。
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